【社員インタビュー vol.4】製造部・部長 -笠井 孝史-

– VAIO品質保証部での経験をVFRで活かす。安心安全なドローンづくりへの挑戦 –

こんにちは。VFR広報の村中です。 
本日は、社員インタビュー vol.4ということで、波乱万丈なドローンの製造現場をまとめる「笠井 部長 」にインタビューして参りました! 

VFRは、2030年に世界一のドローンメーカーを目指し、「日本初の*レベル4機体*(ドローン)」の認証を取ることを目標としています。 
その目標達成のために、今VFRが力を入れないといけないことは? 
笠井 部長に、ご自身の経歴をプレイバックしてもらいながら 現在のドローン製造における課題について詳しく教えて頂きました! 

【社員インタビュー vol.4】 
ー製造部・部長 -笠井 孝史- (かさい たかふみ)– profileー 

新卒で、ソニーデジタルプロダクツ株式会社に入社。(※2001年以降、社名変更あり )
15年以上、VAIO事業で“品質保証”を担当。ソニーのPCブランドであるVAIO事業が売却された後は、VAIO株式会社に転籍。その後、VFRへ入社。 

*レベル4機体*とは 
国土交通大臣が、無人航空機(設計・製造過程・現状)について定めている機体認証制度にて、第三者上空での補助者なし目視外飛行(レベル4飛行)を実施するための厳しい審査「第一種(レベル4相当)」の認証を得た機体のこと。

【パソコンとの出会い】 ドライヤーを分解して、火花を散らしていた少年時代

|VFRではドローン製造を任されている笠井部長ですが、いつ頃から”ものづくり(製造業)”に興味があったのですか? 

私がものづくりに興味を持ち始めたのは、小学生の時でした。子どもの頃から家電を分解するのが好きで、ある日ドライヤーをいじっていたら、火花が飛び散ったという危ないエピソードもあります(笑)  こんな感じで、少し危なっかしい少年時代でしたが、その時の失敗と成功の経験は、今のものづくりにすごく活かされていると感じています!そして、将来のことを考え始めた頃には、“ものづくりに携わる仕事に就こう”と決めていました。 

|ソニーデジタルプロダクツ株式会社を志望したのはなぜですか? 

一番の理由は、PC事業に携われる仕事に就きたいと思っていたからです。私が入社するタイミングはまさに、ソニーがこれからPC事業に力を入れていこうとしているフェーズでした。あとは、当時私が住んでいた場所から工場が近かったという土地のご縁も志望動機の一つです。ストレスなく通勤ができて、大好きなものづくりができる。そんな魅力的な職場だからこそ、22年間も働くことが出来ました。 

|パソコンに興味を持ったのはいつ頃ですか? 

中学生の時だったと思います。私の父親が富士通のパソコン「FM-7」を購入したことをきっかけに「将来はパソコンをつくる仕事がしたい」と考えるようになりました。当時のパソコンは、性能と価格があまり見合っていなくて、一般家庭への普及という面ではまだまだ課題が山積みだったように感じます。その頃から各メーカーは、パソコン普及を目的に「MSX(エム・エス・エックス)」というパソコンの共通規格でその仕様に沿ったパソコンの開発を進めるようになっていきました。当然ながらソニーもMSXの仕様に沿ったパソコンの開発に取り組み、安曇野の工場でパソコンの製造が行われていました。その後、私もそこに参戦することになります。 

|当時のPC事業について、もう少し詳しく教えてください! 

私が、新卒で入社した「ソニーデジタルプロダクツ株式会社」はソニー株式会社が100%出資しているエレクトロニクス機器を扱う企業です。私が入社した頃は、海外の大手IT企業の*OEM*にすごく力を入れていて、主にオーディオ事業とPC事業に取り組んでいました。メイン事業はオーディオ機器の方だったので、当時のPC事業部は今のVFR(ドローン事業)のようにいろいろと学ぶ事が多い時期だったと記憶しております。 

*OEM*とは 
取引先の会社の商標で販売される製品の受注生産。
 

| 新規事業×製造という面でもVFRと通ずるものがありそうですね! 
 笠井部長は、VFRにジョインするまでは「PC事業」一択だったのですか? 

いえ、実は3年間程オーディオ部門も経験しています。PC事業に戻ってきたのは“VAIOシリーズ”の開発がソニーで始まったタイミングで、VAIOの品質保証部への出向を自ら希望しました。 
そして、1997年(入社5年目)に再びPC事業に携わることになり、パソコンの品質保証という全く新しい分野でキャリアを磨くことになります。 


| 「PC事業」に対する熱意のようなものを感じます。 
 品質保証部で、一番大変だったエピソードを教えてください。 

元々、品質保証という領域は、私の専門分野ではありません。 本音を言ってしまえば、不慣れだった環境(仕事内容)に適合するまでの毎日が大変でした。 その中でも特に壁にぶち当たったのは、「パソコンの評価基準」を作る仕事でした。評価の基準は、設計者と意見交換をしながら決めるものなので、その際に設計者と喧々諤々した経験があります。新しいパソコンが出た時(試作機)には、「機能・環境・強度」など様々なテストをして評価を行う必要があり、基準を満たしていない場合は、設計者に改善を求めなければなりません。イメージとしては、設計者に対して“要求仕様書”のようなものを説明しながらやり取りしている感じです。 


パソコンの新機能が追加される度に、その機能の評価基準を作っていたということですか? 

そうですね。実際にパソコンにカメラ機能とCD取り込み機能が追加されたときは、どうやって評価基準を作るかをとても悩みました。各機能の評価はドローンにおいても必要です。私たちVFRは、VAIO株式会社(本社)の中にも拠点を構え、PC事業で培った知見と技術を強みに持つドローンメーカーです。業界内ではドローンは空飛ぶパソコンと呼ばれており、品質保証の分野でもPC事業のノウハウが活かせると思います。VFRが世界一のドローンメーカーになった時、我々の提供するドローンは世界一の“品質保証”を行っているのではないでしょうか。 

品質保証部の組織は、どのような構成になっていたのですか? 

ソニーの品質保証部門は、VAIO以外にも、たくさんの部門が存在しています。そして、これらの部門に横串をいれてまとめるのが、“品質センター”です。この品質センターには、信頼性工学を専門に学んできた博士や、優秀な方達がいて、私もよく相談に乗って頂きました。専門分野ではない品質保証部で活躍できたのも、よくある縦割りの構成ではなく、横串で考えられる組織構成になっていた影響が大きいと思います。品質は作り込むものですので、後からついてくるものではありません。最初から品質を考慮した設計が出来ていないと、良い製品は作れないと私は考えています。品質保証部は、設計者にとって少し厄介な存在かもしれませんが、、(笑) 

49歳でVFRへ。PC事業で培った技術と知見をドローン作りに活かす 

VFRへの参画を決めた理由を教えてください。 

VAIO事業が売却された後、私は「VAIO株式会社」に転籍し、東京オフィスで“技術営業”を担当していました。もうすぐ50歳を迎えて、定年まであと10年くらいしかない。そんなタイミングだったこともあり、新規事業である“ドローン”を一緒に作らないかという社内募集が出されたときには、すぐに挙手をして、VFRへのジョインを決めました。とはいえ、VFRは「75歳就労制度」を導入したので、あと10年ではなくなりましたね。(笑) 

VFRに入社してから、苦労した点を教えてください。 

まずVFRに来てからは、自分はソニー・VAIOという大企業の歯車でしかなかったということを凄く実感しました。49年という人生の中で、取引先と契約書を交わしたのはVFRが初めてでした。私はこれまで深く物事を追求して、品質保証という分野に全集中して働いてきましたが、VFRではもっと視野を広げて行動しなければなりません。 このような大きな環境変化の中で、製造部の部長を任されたことは、一つの試練でもあり、新たなチャレンジでもあります。専門分野という枠を取ってしまうと、苦労が絶えないかもしれませんが、これからも情熱を持って取り組んでいきます! 

| 製造部の部長として、今後VFRが世界一のドローンメーカーを目指すために必要なことは何だと思われますか? 

大切なことは、「企画・設計・製造・出荷の一連のプロセス」を作ることだと思います。今のところ、国産機で量産化されているドローンは限られているので、きちんとしたプロセスを設けているメーカーは少ないと思います。しかし、ドローンの量産をスタートするということは、“品質保証”がきちんと出来ていて、性能にばらつきがなく、一定なクオリティである製品を提供するということです。特に、部品を提供するサプライヤー・設計者・製造者の連携は、ドローンの量産化において非常に重要なものになります。これを1社でやろうと思うと骨が折れてしまうので、パートナー企業との信頼関係は必須ですよ。 

| ドローンの量産化についてもう少し詳しく聞きたいです。 

今、日本には数多くのドローンメーカーが存在し、性能の良いドローンもたくさんあります。でもその優れたドローンのほとんどが、そのまま量産製造することはできません。 その理由の1つは、使用されている部品(パーツ)です。ネット販売されているようなラジコンパーツを使って、量産化は不可能です。そもそも部品の品質にもばらつきがあってはいけないので、今後はVFRが定めた評価基準を満たしたパーツのみを採用していきます。2つ目の理由は、設計が複雑になっているということです。ドローンメーカーで働くすべての人材が、専門知識があるとは限りません。設計者は、誰が組み立てを行っても、ばらつきが出ないシンプルな構造にする必要があるのです。それが、安心安全なドローンづくりに直結します。難しいお話をして申し訳ありませんが、そういった意味で、現状の日本のドローンメーカーで量産が実現できるのは本当に限られているメーカーのみです。普通のドローン設計と“量産設計”は全然違うものなのです。 

| 凄く勉強になりました!! 
 では、最後に。これからどんな方と一緒に働きたいですか? 

やっぱりチャレンジすることが好きな人ですね!ドローン事業って言うと、新しくて華やかなイメージがあるかもしれませんが、VFRでの日常は波乱万丈です (笑) VFRに入社するということは、これまでご自身が歩まれてきた道とは全く異なる道を進むことになると思います。逆に、チャレンジ精神に溢れた方なら、VFRは本当に良い会社だと感じると思います。みんな仲間想いで、ITが普及している現代でも人間らしく・泥臭く・地道にものづくりを行っています。「75歳就労制度」も導入したので、年齢は問いません。ぜひ、VFRで一緒に働きましょう! 
今日は、ありがとうございました。