VFRが世界と戦うための必要なstrength(強み)! ”世界のドローン市場から分かる日本のドローン作り” – Part② –

~ 春原先生のドローン初心者講座 vol.3 ~

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【 春原久徳 先生 ―profile― 】
VFR株式会社のアドバイザー。
2015年12月ドローン・ジャパン株式会社設立。『ドローンビジネス調査報告書2018』『ドローンビジネス調査報告書2018【海外動向編】』(株式会社インプレス)を調査執筆、Drone.jpでコラム[春原久徳のドローントレンドウォッチング]連載中。他にも各産業業界誌で多数執筆。農林水産省、NEDOや各業界団体でのドローン関連の講師を年間60~80回程度行っている。

執筆記事:https://www.drone.jp/column/sunohara


こんにちは、VFR広報の村中です。
本記事は、「―VFRが世界と戦うための必要なstrength(強み)!”世界のドローン市場から分かる日本のドローン作り”―Part①」の続編となります。
まだお読みになられていない方は、こちらを先にご覧ください!
part①

それでは続編スタート



|ここまでは、世界のドローン市場から分かる日本のドローン作りについて教えて頂きました!次は、「製造」について教えてください。

製造と言っても、色んなパターン(製造のやり方)があるので、まずはそこを理解しましょう。メーカーには、大きく分けて「自社製品の製造」「他社ブランド製品の製造(OEM)」「製造を受託するサービス(EMS)」という3つの製造パターンが存在します。今後VFRが関わっていくのは、後者の2つですが、メインは、EMSになると思います。



| OEMとEMSの違いが、あまり理解できません、、

ここでは、ざっくりと違いを説明させていただきます。圧倒的に違う箇所は、OEMはベース(技術)を自社で開発製造して、それを他社ブランドで販売してもらうという点です。そういう意味で言うと、OEMは自社内に開発ノウハウがないと行うことができないものであるともいえます。先ほどメインは、EMSというお話をしましたが、VFRはOEMにも力を入れていく方針です。OEMについて理解を深めたい方は、「IoT(Internetof things)としてのドローン」という記事をご覧いただければと思います。OEMについて記載してあるわけではありませんが、“ホワイトラベル戦略”はそれに当てはまるビジネスモデルだと思います。



| EMS(製造を受託するサービス)の意味は理解できるのですが、イメージが湧きません、、

それではドローンにおけるEMSではなく、パソコンに置き換えて考えて見ましょう。ノートパソコンが世界的に普及していた時代、80%以上のPC製造は“台湾”で行われていました。その結果、PC関係の部品や製造技術が“台湾”に集約されるようになりました。VFRはこの状態を、ドローンにおいても再現したいと考えています。製造の技術は、やればやるほど経験値を積むことができる世界なので、“実のビジネス(製造力)”を持っているドローンメーカーとして世界で活躍したいなら、今から本気で取り組んでいくべき領域だと私は考えております。



| 春原先生から見て、VFRの本当の強みになる部分は何だと思われますか?

アドバイザーとして期待しているのは、「品質が高い製造体制を自社で構築している」という点ですね。例えば、航空業界・自動車業界が導入しているような高性能な3次元CADソフト(CATIA)をベンチャー企業(VFR)が導入しているケースは稀です。通常、製品の品質を安定させるまでには多くの時間とコストを消費しますが、シミュレーター内で“品質評価”を行える仕組みを構築できれば、製造しない状態での評価が可能になります。あとはサポート面を他メーカーに比べて、手厚くしようとしているところですね。もしもの時・・・という不安はドローンにはつきものですから、ユーザー目線で見ると“保証”してくれるメーカーは魅力的だと感じると思います。



| 素敵なアドバイスをありがとうございます!
ユーザー目線で、他に力を入れた方がいいことはありますか?

トラブルシューティングをユーザー自身で対処できるような環境を作ることですかね。メーカーとして出来ることは「トラブルシューティングがしやすいシンプルな設計にする」、それに加えて、全国各地で修理を行える体制(パートナー)づくりも必要です。例えば、車の修理が行える店舗との提携など、“購入後のサポート”に力を入れていくことはドローン普及には欠かせないポイントです。あとは“アラート機能”なんかも絶対必要です。




| “アラート機能”とは、何か起こる前にユーザーに異常を知らせる機能ですよね?

はい、自動車なども「エラーメッセージ」が表示されたり、警告音で運転手に知らせる機能が備わっています。そうすれば運転手は、マニュアルを確認したり、サポートセンターに電話したりして、専門知識がある方に対処法を教えてもらえます。現状、ドローン業界にはそういった仕組みは構築されていません。例えば、エラーメッセージが表示されて、ユーザーからの「○○」が表示されていますという問い合わせに対して、サポートセンターは「○○のネジが緩んでいる・歪んでいる可能性がありますので、近くの修理店に持って行ってください」という次の指示をユーザーに知らせることができます。実証実験などのフェーズではドロ―ンに詳しい人材がプロジェクトに関わっていたので、それで問題なかったかもしれませんが、2022年以降はいよいよ、実運用のフェーズに入ったと思っておりますので、VFRにはぜひサポート面にも力を入れていってほしいと思います。



| ドローン普及に向け、VFRだけでサポート体制を構築するのは難しいですよね、、

その通りです。サポートは3段階くらいに分けて考えた方が良いと思います。まず最初は「ユーザー自身でトラブルシューティングできる体制」次は、「近くの代理店でトラブルシューティングできる体制」最後に「サポートセンター(メーカー)」という風に、本来なら状況に応じて、どのサポートが必要かは変わってくるはずです。しかし、現状はとりあえずメーカーに見てもらうという方法を取っていますので、ユーザー目線からすると、「修理に出したドローンはいつ返ってくるの?」という不便さを感じてしまいます。これは、メーカー側にしても良くないと思います。



| 製造とサポート体制、ドローン普及に向けてやることは沢山あるのですね。

製造とサポート体制を分けて考える必要はありません。先ほど、VFRに期待している部分は「品質が高い製造体制を自社で構築している」というお話をしましたが、「トラブルシューティング」と「サポート体制」もEMS(製造を受託するサービス)に入っています。これからはサポート面(保証)のクオリティが安定的な運用に繋がり、ドローン普及を加速させていきます。ユーザーが、性能よりも“コスト”や“使いやすさ”、“運用管理性”を重視してドローン(メーカー)選びをするようになるからです。幸いにも、ドローンが実運用のステージに入った場合、品質保証やサポートに関しては、海外よりも日本が強い分野だと思います。アメリカ進出する際にも、日本メーカーのこういった利点は有利に働くと思います。




| EMSで活躍するには、“飛行場(テストフィールド)”も必要ですよね?

はい、出荷前に行うテストフライトを行うための場所の確保はメーカーとして必要だと思います。あくまで参考程度にですが、例えば過疎地域に野球場くらいの場所を確保して、外に飛んでいかないように網状の屋根をつける。そうすることで、飛行前の許可が不要になり、目的である“テストフライト”に集中できる環境が整います。もちろんその分、コストもかかってしまいますが、このテストフライトを必ずしも VFRが行う必要はないと思います。重要なのは、「きちんとしたテストフライトが行えるプロセスや環境が整っているのか」です。



| それは、パートナー企業に“テストフライト”を任せるということでしょうか。

はい、任せるとは言っても“メーカー”としてやるべきことは沢山あります。「何時間飛ばしたのか」「どんな条件で飛ばしたのか」「GPSが取れなくなった時の動作」「防水性が保たれる範囲」などの様々な実験の結果を記録して、それに基づいた評価手法をパートナーにトレーニングするのがよろしいかと思います。その時の環境に左右されやすいドローンだからこそ、どこまでをOKなラインにするのか、をそろそろ他社と手を組んで行ってもいいかもしれませんね。



| 今回は、製造をテーマにしたドローン講座というよりも、メーカーとしてやるべきことを教えて頂いた気がします。

それでは最後にVFRアドバイザーとして、製造に関して意見させていただきます。よく製造は、ノウハウがない・リソースが少ない会社が着手しやすいビジネスという印象を持たれていますが、私は真逆の考えを持っています。製造が一番難しく、生き残ることが困難な領域だと思います。もちろん、納品前の入口(部品管理・品質保証・出荷前検査)に力を入れることも凄く大切ですが、ドローンの場合はハードウェアとソフトウェアのバランスも必要かと思います。例えば、「性能の良い部品=壊れにくい」、これは環境に変化が大きいドローン運用においてはどうしてもその変化に伴う不具合が生じやすいです。ドローンには、ハードウェアだけでなく、「ソフトウェア」にも気を使わなければなりません。ハードウェアの世界だけの「安心安全なドローン作り」だけでなく、ソフトウェアの観点からも、きちんと捉えることが重要です。そういった意味でも、先ほど紹介させて頂いた「IoT(Internet of things)としてのドローン」という記事の内容は、次につながる戦略かもしれませんね。今日はここまでにしましょう!ありがとうございました。


本編はここまでとなります。
最後までご覧いただきありがとうございました!