VFRと静岡県磐田市、津波避難広報ドローンの実証実験へ向けた連携協定を締結

VFRと静岡県磐田市、津波避難広報ドローンの実証実験へ向けた連携協定を締結

― 国産ドローンポートからの自動離陸で、避難呼びかけ・ライブ映像取得を検証 ―


VFR株式会社(本社:愛知県名古屋市 代表取締役社長:蓬田和平 以下、VFR)と、静岡県磐田市は、2026年度より開始する津波避難広報を目的としたドローンの実証実験へ向けた連携協定を締結しました。市沿岸部に自動運航ドローンの発着拠点として、国産ドローンポート「VFRドローンポート」を設置し、災害時に上空から津波避難の呼びかけや被害状況の監視を行う実証実験に取り組みます。

【背景】

政府の地震調査研究推進本部が公表している「南海トラフの地震活動の長期評価」によると、南海トラフ地震は過去におおむね100~150年の間隔で繰り返し発生しており、今後30年以内に70~80%の確率で発生する可能性があると評価されています。※1

磐田市の沿岸部は、南海トラフ地震が発生すると非常に高い津波の直接的な影響を受ける地域とされており、短時間での避難が求められます。一方で、防災行政無線が届きにくいエリアや、観光・レジャー目的で市外から訪れる人が多いという特性から、迅速かつ確実に避難を呼びかける手段の確保が大きな課題となっています。

※1 出典:地震調査研究推進本部

【協定の目的】

こうした課題に対し、災害時でも確実に運用できる体制を構築するため、磐田市とVFRは、国産ドローンおよび国産ドローンポートを活用した実証実験に関する連携協定を締結しました。災害対応では、通信・制御の信頼性や安定した供給体制、セキュリティ面への配慮が不可欠であり、国内で開発・製造されたドローンと、それを自動で運用するドローンポートを採用することで、緊急時にも継続的かつ安全な運用が可能となります。また、警報発表と連動した自動離陸・自動飛行による避難呼びかけや状況把握を実現することで、人手に依存しない迅速な初動対応につなげることが期待されています

「VFRドローンポート」

【実証実験の概要】

本実証では、津波警報の発表などと連動し、ドローンが全自動で離陸・飛行する仕組みを検証します。津波避難広報ドローン1機を格納・充電する国産ドローンポートを、福田漁港付近または竜洋海洋公園内に設置する方向で検討しており、事前に設定したルートを自動飛行します。

沿岸部は、防災行政無線が届きにくいエリアも多く、市外から釣りやサーフィン、キャンプなどのレジャー目的で訪れる人も少なくありません。こうした状況を踏まえ、ドローンに搭載したスピーカーによる音声での避難呼びかけを行い、より多くの人に迅速に危険を伝える手法の有効性を確認します。

また、磐田市によると、2024年7月30日に発生したカムチャツカ半島沖の巨大地震で津波警報が発表された際、長時間にわたり避難指示を発令したものの、沿岸部の企業などから「タイムリーに状況を把握しにくい」との声が上がっていました。
自動運航ドローンの活用により、津波の到達状況などをリアルタイムで撮影・共有することも可能なことから、情報収集・情報発信の迅速化も目指します。

<連携協定書署名の様子>

【連携協定について】

2025年11月30日、磐田市役所にて磐田市の草地博昭市長とVFR蓬田が、実証実験に向けた連携協定書に署名しました。草地市長は、「大規模災害時に職員が現場に行けず、状況が分からないことは大きな課題だった。その不安を解消できる有意義な仕組みだと思う」と期待を寄せています。

本実証実験では、災害時に限らず、試験運航や防災訓練での活用も重ねながら、実運用に向けた有用性を検証していきます。なお、VFRが取り組む高性能な国産ドローンポートの開発・社会実装は、経済産業省の「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR フェーズ 3)」※2に採択されており、本実証実験もその一環として実施します。

VFRは今後も、自治体や関係機関と連携し、災害対応におけるドローンの社会実装を通じて、地域防災力の向上に貢献してまいります。

▪️用語説明
※2 経済産業省「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR フェーズ 3)」
SBIR(Small/Startup Business Innovation Research)制度は、中小企業やスタートアップが革新的な研究開発を行うことを支援する制度です。フェーズ 3は、その研究開発の成果を大規模技術実証で検証し、社会実装へと繋げるための支援です。

■会社概要

【VFR 株式会社】
所在地    : 愛知県名古屋市中村区名駅 1-1-1 JP タワー名古屋  21階
代表者    : 代表取締役社長 蓬田 和平
URL       : https://vfr.co.jp
設立       :
2020年3月に設立。長野県安曇野市に開発生産拠点としてAzumino SORA Factoryや、テストフィールドを展開
事業内容 :
小型無人航空機(ドローン等)を中心とした無人機および付随するソフトウェアの企画、設計、製造、販売、修理、保守、点検、輸出入、並びに設計、製造、修理の請負。これらに付帯する、技術支援、設計支援および生産・販売のオペレーション支援や計画立案等の支援

上部へスクロール